2020.1.22 Wednesday

第4回 プロをなんだと思ってんの?

KO-YA

乱縄11代目・FeAts-G出身。大学卒業後からプロダブルダッチチーム「REGSTYLE」に加入し、現在に至るまでプロとして活動。2017年からDOUBLE DUTCH CONTEST WORLDで優勝し世界3連覇を成し遂げる。ダブルダッチマンの取材・デザインを務めるアキノリと同じチームで、インタビュアーのイケポンとは他大の同期。

この企画はダブルダッチの歴史を人伝いに辿っていく企画です。
「ダブルダッチをはじめたきっかけになった人」をどんどんつないでいけば、最初にダブルダッチをはじめた人に辿り着くのではないか、という超アナログ企画。
KO-JIからバトンを託された5人目はKO-YA。ついにプロダブルダッチチームREGSTYLEに所属するも、挫折や苦悩の連続。
そんな中でKO-YAにも、とある選択肢がちらつき始めます。

「オレもここまでかな…」

イケポン
KO-YA自身は「プロを辞めたい」と思ったことはなかったの?

コーヤ
1回だけある。それは2016年の5月、SEIJIが辞める時。

イケポン
そっか。プロでやろうと思ったきっかけが、SEIJIさんだもんね。

コーヤ
そう。オレがダブルダッチをプロでやろうと思った理由は4つあって。
1つ目は「これからもダブルダッチのみんなでワイワイしてたい」、2つ目は「小さい頃からプロスポーツ選手をやりたかった」、3つ目は「ダブルダッチをもっとみんなに知って欲しくて、そのきっかけになりたかった」。
そして4つ目は「SEIJIと一緒にやりたかった」。

イケポン
うん。

コーヤ
4つの内の一角が崩れたのが、オレの中ではすごいデカくて…。
それにどんどん自分のスキルに対して自信もなくなっちゃってた時期でもあって。ベルギーのタイトルで営業回ってるのもすごく嫌だった。
心の奥底では「もう一回DOUBLE DUTCH CONTESTに挑戦して、本物のチャンピオンになりたい!」っていう思いがあったんだけど「無理でしょ、今の状況で、しかもこんな自分のスキルで…」って。

イケポン
自信か…。

コーヤ
そんな状況がずっと続いている中で、「俺もここまでかな…」って思ったこと一回だけがある。

イケポン
そうだったんだ。

「俺もここまでかな… って」

コーヤ
何より自分への自信の無さが一番そうさせたかな。プライド捨ててワンズ(DOUBLE DUTCH ONE’S)に出ることでギリギリ自分のモチベーションを保ってたけど、プロなのに予選落ちすることもあったし。

イケポン
うん。

コーヤ
だからオレがREGとして本格活動をはじめてからの4年間は、かなりくすぶってた期間だった。今となっては「その4年間よくぞ続けたオレ!」って、自信に繋がってるけどね。

イケポン
そうだよね。

コーヤ
2016年に辞める決断が頭をよぎったけど、そこで辞めなくて本当によかったなって。

「そこで辞めなくて本当に良かったなって」

イケポン
そこを踏み止まったのはどうして?

コーヤ
KAIくんのおかげなんですよ。

イケポン
あ、KAIくん!ついに登場!

コーヤ
2015年の年末あたりかな。CAPLIOREに所属してシルク・ドゥ・ソレイユのアーティストとして活動していたKAIは、日本での活動を選んだから、それがきっかけでCAPLIOREとREGとを兼任することになったんだよね。
そこから半年弱一緒に活動して、4月のアライブ(DANCE@LIVE)にはKEITAを含む6人で出たんだ。

TOKYO FOOTWORKZ×REG STYLE / DANCE@LIVE 2016 JAPAN FINAL MAINSTAGE SHOWCASE(DewsTV)

イケポン
2016年4月のアライブだ。

コーヤ
そうだね。そのアライブが終わった後のREGの集合で、REG解散についての話し合いになったんだよね。

イケポン
KAIからしたら「えー!!」って感じだよね(笑)。

コーヤ
そうだよね(笑)。他のメンバーでは、事前にある程度話してはいたんだけど。

コーヤ
SEIJIが「辞めます」。TakumAもプロとしての活動は「2016年12月までっていう家族との約束だったから辞めます」と。YUIさんも「私も辞めます」と。オレも「ここまでかな…」って言い出します。
KAIはREGに入ってまだ半年もたってないのに(笑)。

イケポン
(笑)

コーヤ
でもKAI君が格好良かったのは「そっか。みんなそれぞれの人生だからオレは何も言わないよ。」って受け止めてくれて。受け止めるキャパシティが半端なかったね(笑)。

イケポン
半端ないね(笑)。

コーヤ
だから“REG”解散説”が渋谷のデニーズで。KAIには本当に申し訳なかったんだけど。
でも、解散しなかった。

プロを何だと思ってんの?

コーヤ
その翌々日くらいにKAIが「KO-YAさん話そうよ」って言ってきてくれて。まだその時はKO-YA“さん”だったね。KAIがオレのことボロクソに言ってくれたの、初めて、手震えながら。

イケポン
え!?

コーヤ
全て図星のこと言ってきたんだオレに。
「だっさ!KO-YAさん辞めんだ?クソだせえじゃん。ダブルダッチ界で何してきたの?ベルギーの優勝だけで営業回って、コンテストでは何の結果も出せてないしさ。格好悪いことばっかずっと続けてきて… てかプロをなんだと思ってんの?」って。

イケポン
…それは驚きました。

コーヤ
あいつはCAPLIOREでシルク・ドゥ・ソレイユを経験した直後だったし、CAPLIOREのマインドが超入ってたんだよね。だからREGのなあなあな練習の空気とかあいつの中では、超モヤモヤしてたと思うよ。
でもあいつは新しい環境に入って、それをすぐ相手にバーンとぶつけるタイプではなかったんだよね。だから2人で話したその時に、初めてぶつけてきた。

イケポン
そうだったの。

コーヤ
言葉は超キツいけど、アイツは多分敢えてそうしたんだよね。すげえ手震えてたし、すげえ勇気振り絞ってオレに言ってるのを感じて。

イケポン
きっとそうだよね。

コーヤ
全部図星で、オレの自信なかった理由を全部言われた。「その通りなんです…だからオレはこの4年間モヤモヤしてて自分に自信がなくて、オレは何も出来てないんです…」って。
その日の夜超悔しくて、家で一人で涙が出たのを覚えてる(笑)。

「その日の夜超悔しくて、家で一人で涙が出たのを覚えてる」

イケポン
泣くね、それは(笑)。

コーヤ
でもKAIの心の奥底には「KO-YAさんだけは気付いてくれ!」っていう想いがあったんじゃないかとオレは思ってさ。
「てかそもそも本気でプロやるって言ってたのにオレ何もしてねえ!絶対このままで終わらせられない!」って思ったんだよね。

イケポン
そうだ!終わらせられない!

コーヤ
次の日、悔しくて腹ワタは煮えくり返ってたんだけど、KAIには「ありがとう!」って。心の中では「コイツ〜ぜってぇ見返してやる!」とも思ってた(笑)。

イケポン
うんうん。

コーヤ
「オレ辞めねえわ。終わらせられない。お前のおかげで気付けた。オレがリーダーになって続けるからKAIも一緒にやってくれ」って話して。それからYUIさんにも「SEIJI兄辞めちゃってTakumAもあと半年しか続けられないけど、オレは続けるからYUIさんもいてくれ」って話したら、「わかった」ってYUIさんも言ってくれて。

イケポン
おー。

コーヤ
TakumAも本当は続けたいけど家族との約束があったから、YUIさんやオレが辞めるって言った時にすごい寂しそうにしてたんだよね。TakumAも本当は「REGSTYLEやKO-YAさんに続けて欲しい」っていう思いを持ってたから。

イケポン
そっか。

コーヤ
辞めることになったSEIJI兄も学生時代、DDF時代からのシーンへの想いがあって、REGをDaisuke兄と創った人。一番強い想いをもってREGの活動をやってきたし、一緒に悔しい想いをたくさんしてきた。
誰よりもアツいしカッコイイし、人を大事にする人だからこそ、一旦退く想いはすごい心境だったと思う。絶対的存在だったSEIJIがいなくなるのはオレにとっても大きなことだったけど、SEIJIの想いをを引き継げるのもオレしかいないって思った。
いつかまた一緒にステージに立てることも信じて。

イケポン
うん、いつか。

「いつかまた一緒にステージに立てることを信じて」

KEITAが仲間に

コーヤ
そして、オレ、TakumA、YUIさん、KAIの4人で続けることが決まった。さあ!KEITAもちゃんと誘おう!っていうことで、KEITAを誘ったの。

イケポン
おー!だんだんいまの形に。

コーヤ
KEITAもREGのことナメてたよ〜(笑)。

イケポン
ナメてた?REGのことを?

コーヤ
そう。まぁナメてたっていうより、KEITAはいい意味で超シンプルだし、ちゃんと物事を見てるから、4年間REGが何かを成し遂げたわけじゃないことをKEITAはちゃんと分かってるわけ。
だから当時のKEITAからの印象では、REGは格好悪いプロチームだったんだよね。だからREGのことをすごいナメてた。当時は学生みんなからも、そう思われてたかもね。
でもやっぱりアイツの勢いが欲しかったから、KEITAをちゃんと誘おうと。きちんと話して「一緒にやろうぜ」って。

イケポン
それで今のメンバーになるんだ。

コーヤ
そう、それが2016年の5月、6月あたりかな。

イケポン
KEITAが日体を卒業した後かな?

コーヤ
卒業した後だね。2016年の3月にKEITAは日体を卒業して、4月のアライブに一緒に出て、そっからだね。

(第5回につづく)

取材・編集:イケポン
バナーデザイン:アキノリ
撮影:ヤマダイ