2018.12.18 Tuesday

第3回 お金と面白さの関係

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RYO

1990年4月8日生まれ。立命館大学BKCキャンパス「Fusion of Ganbit」出身。現役時代は独自の世界観を表現した「HUMPTY DUMPTY」に所属し、DOUBLE DUTCH DELIGHT JAPAN 2011に出場。卒業後は、クリエイティブ業界を目指して専門学校へ。その後株式会社amanaに就職。現在は、プロデューサー兼プランニングディレクターとして、様々なクリエイティブコンテンツを手がける。

これは僕の中でターニングポイントだった

これは僕の中でターニングポイントだったんですけど。

これは・・・動画?モノ?

ものです。実際に作ったモノなんですけど、これは「Kinetic Display(キネティックディスプレイ)」って名前をつけてます。

「キネティックディスプレイ」。

全然これだけだとしょぼいんですけど、立体的に動くディスプレイというんですかね。普通ディスプレイってRGBで何かを表現するんですけど、これは立体的に動くもので表現しようと。

これはどういうお仕事だったの?

これはですね、お仕事じゃないんですね。実験みたいな。自分らで勝手にやったんです。
きっかけは、乃村工藝社という企業さんでして。乃村工藝社さんって内装の空間を作っている会社があるんですけど、そこの人たちとたまたま繋がれて。で、内装空間にamanaのコンテンツが売れるんじゃないかなって、営業に同行して一通り紹介していたんですよ。
担当者の方から「面白いからよければ一緒にものを作りませんか。うちにもラボがあるから。」と言っていただけて。ディスカッションを通して、ビジュアルとCGでプロトタイプしたらこういう大きいものになるよねって感じで。空間の演出でもあり、ビジュアル的な表現でもありってものを作ったんですけど。
これがどうこうとか、売れる売れないじゃないんですけど、こういうの面白いんじゃないかってサークルノリでガンガンやれるのが面白くて。

“これがどうこうとか、売れる売れないじゃないんですけど、こういうの面白いんじゃないかってサークルノリでガンガンやれるのが面白くて。”

「これも面白いんちゃうか」って感じだ。

こういうの作って、海外で「 サウス・バイ・サウスウエスト」っていう大きな展示会に出しませんかとか、勝手にガンガンやっているのが面白くて。

へー。ダッチもさ、パフォーマンスができた後も面白いんだけど、実験しているときが一番面白くなかった?これアリだな、これナシだなってあーだこーだやってる時間が。

そうですね。それと一つ思ったのは、うちの会社はいわゆるクリエイティブな人たちが集まっている会社なんですけど、放っておくと仕事していくにつれてどんどん受け身になっていくんですよ。いろんな会社がこういうの作ってほしいっていうのに対して、これならいいよ、これならお金ハマらないよって。結構冷たいものが出来上がってくるんですよね。

“いろんな会社がこういうの作ってほしいっていうのに対して、これならいいよ、これならお金ハマらないよって。結構冷たいものが出来上がってくるんですよね。”

冷たいもの?

あんまり熱がこもっていないというか。

人間の温度感みたいなかな?

はい。
もちろん、すごい頑張っている人もいるんですけど。なりがちなんですよね。

ダッチがそうだったから、そのギャップを感じちゃうのかもね。

確かに、そうかもしれないですね。

あるよなあ、絶対。あの時の方が面白かったなって比べちゃう時。

そう、比べちゃうんですよね。そう考えたときに、これはその・・・これではまだお金が稼げていないんで、本当の意味でブレイクスルーできた訳ではないんですけど、可能性はすごい感じていたりします。

なんか、「OK Go」のMVにもこれに近いものがあったような。プリンターでぶわーって紙が出てくるやつ。あんな風な使い方もできそうだね。

そうですね。

誰か面白いって思ってお金出してくれる人はいそう。

ありそうでなかった表現ができるんじゃないかって。

同じようなノリで最近もう一個やり始めたんです。これはKindleの素材でもある電子ペーパーなんですけど、あの素材を使った大型のディスプレイ が最近世の中に出始めたんですよ。

おーこれはありそうでなかったね。

そう、ありそうで無くて。通常のディスプレイだと発光するんですけど、これは紙なので光らず、紙なのに動いているという。

これって紙なの?どういう仕組み?そもそもモニターが光っている仕組みも知らないんだけどさ・・・(笑)。

電子ペーパーは原子レベルで白と黒のインクが出たり引っ込んだりっていう動きをしているらしいです。Kindleでページをめくったときに残像が残るじゃないですか?それがそういうことらしくて。

電子的に引っ込んでいるってこと?

はい。なんかその電子ペーパーに無理やり動くものを流すとバチバチ残像が残るんですよね。それが表現的に面白いんちゃうかって。ありそうでなかった表現ができるんじゃないかって。これは新しい可能性がありそうだって、都内のミュージアムでも興味をもってもらえて。こういうのを使って新しい展示会をできるんじゃないかって。

何か新しいものを作っていったほうが健全

うんうん。

企業に寄り添ったコンテンツを作ることも意義があるんですけど、やっぱり、こう・・・何か新しいものを作ったりとか、そういうことをやっていったほうが健全というか、自発的に行動できるんじゃないかって。最近その感じをつかんできた感がありますね。

両方いるってことなのかね。もちろんお金に余裕がないと実験もできないし。

そうですね。だから両輪回している感じですね。

(第4回に続く:2018年8月20日公開)