2018.10.16 Tuesday

第3回 2020年までは絶対辞めない

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黒野

1990年5月24日生まれ。筑波大学2年時に初めてなわとび競技に出会い、これまでNBAハーフタイムショー出演や、2014年にはWorld Jump Rope選手権で個人総合優勝を果たす。また2016年のリオデジャネイロオリンピックでは日本人で初めてバスケットボールやハンドボールのハーフタイムショーに出演した。現在は株式会社ワコールにて人体の研究をおこないながら、縄跳びの普及活動をおこなっている。CX-Wサポートアスリート。

筑波大学のアイススケート部は2年の時に主将になったんですけど、その2ヶ月後に辞めちゃったんですよね。

筑波ってバリバリ体育会系ですよね?

そう。もともと体操競技とかをやってたんだけど。

話の軸が増えすぎて戸惑ってます・・・(笑)。

そうそう!気になるところが多すぎて。

あ、ほんとに(笑)?なわとびのことは1年生の時は全然知らなくて。
で、途中から知ったものの、スケート部にいたので、そっちをやりながらなわとびにも興味が出てきて、という感じです。2年のときはスケートとなわとびを両方やっていて、どうしようかなと思ったんだけど、フィギュアってやっぱお金も時間もすごくかかるんだよね。靴もオーダーメイドで8万円くらいしたし、リンク代もすごく高くって。

なるほど。もっと昔からスケートはやっていたんですか?

いや全然。大学に入ってからですよ。新歓で「キミ高橋大輔みたいになれるよ」って言われて「ホントですか?」って(笑)。一応最後はなんとかダブルトゥループまでできた記憶があります。

えー(笑)。見てみたいです。

もうさすがに滑れないけど(笑)

なるほど。なんかもういろいろですね。

そうなんですよ。・・・というか、この話面白いっすか(笑)?

はい。すごく。なわとびにも仕事にも「熱」を感じますもん。「熱」のこもったお話は面白いですよ。

ありがとうございます!やっぱりやるからには何事も本気でやらないとですよね。特にもういい歳になってきたので、ここ数年がほんとに勝負だって思ってます。

誰しも一生トップレベルで体が動くわけではないですもんね。動くうちにガッとやっておきたいですよね。

ですね。筑波に入ったときによく「10年やって、ようやくその競技の醍醐味がわかる」ってことが言われてて。
中学から始めると、大学終わるときにちょうど10年間なんだよね。筑波入ってくる人はほとんどみんな10年以上競技をしてる人たちだったのでその人たちに負けないためにも、なわとびを10年間はやろうっていうのは決めてて。僕は2010年に始めたので、2020年までは絶対辞めないです。

“なわとびを10年間はやろうっていうのは決めてて。僕は2010年に始めたので、2020年までは絶対辞めないです。”

2020年。東京オリンピックですね。

そう。そこでパフォーマンスをしたいと思っていて、そこまでは競技も辞めるつもりもないので。もう自分の中での義務として捉えています(笑)。

自分に課した義務、ですか。

ですね。正直、今日の体育館練習とかも、誰も見てないし、ほんとに自分次第なんですよね。でも、今できる事はやりきりたいので、飲み会に誘われた時でも練習だけはちゃんとやってから行きます。

練習終わってからですか?

はい。こっちは汗だく、あっちは酔っぱらい。

しかも、お酒飲めないからコーラ?

そう(笑)。「すいません!遅くなりました!コーラで!」って言ってますよ。

いい会社ですね。数ある会社の中で、本当になわとびをするための環境が整ってると思いますが、他に候補になっていた会社はあったんですか?

やっぱりスポーツ関係の仕事がしたいと思っていたので、スポーツ系はだいたい受けてました。
なわとび軸でも考えてて、プロになろうっていうのもちょっとあったんですけど、話聞いてたらワコールに惹かれたので、ここに決めました。一番決まるのも早かったですし。

会社所有の体育館も使えて、これだけ練習できる環境は本当に羨ましい。
それに研究のお仕事という点についても、データをもとに改善策を考えるというなわとびの練習方法がすごく活きてくるお仕事のように感じました。

そうですね。仕事も競技もどっちもうまいことやっていきたいと思ってます。理論的に考えていくと、どっちもすごく面白いですよ!

“仕事も競技もどっちもうまいことやっていきたいと思ってます。理論的に考えていくと、どっちもすごく面白い。”

論文を参考にするっていうことですか?

そうですね。ピンポイントで検索すると、けっこうためになる論文がたくさんあります。

恥ずかしながら、僕は論文というものを読んだことがなくて。論文ってどうやって読んだらいいんでしょうか?

ググれば見れますよ。「Google Scholar」とか、海外の「PubMed」ってサイトとか。

ググれるんですね。僕と生きてきたカルチャーが全然違います。けど、通じる部分が無くはないと思ってます(笑)。

ダッチャーの皆様とは確かにカルチャーが違うかもって思った事は結構あります(笑)。
でもお互い良いところを吸収していきたいですよね。最近は僕たち競技者こそ、コンテスト(DOUBLE DUTCH CONTEST)とか出ないとダメだなって思ったりもします。

そうなんですか?

もう少し新しい世界を自分の中で広げないと、先がないって思ってます。だから先日ブリナイ(Brilliant Night)にも出させてもらいました。
僕、演技中に前を向くことがすごい苦手なんですよね。個人のフリースタイルの演技はまず何を考えるかっていうと、最後のポーズを後ろ向きに終われるポーズにしてる(笑)。

うんうん。

基本的に審判の方を向かないようにしてるんですよ。でもやっぱりそういうのって印象良くないですよね。

“新しい世界を自分の中で広げようと思って、先日ブリナイ(Brilliant Night)にも出させてもらいました。”

話してるとすごい爽やかな笑顔なんですけどね(笑)。ブリナイに出た時にそう感じたんですか?

元からずっと感じてて、それを克服しようと思ったからブリナイにも出ようって思いました。こゆる(YOSSYISLAND)が誘ってくれて。
ダブルダッチのショーの中で単縄やってよって話だったから「全部逆にする」ってのをテーマにしようと思って。
だからこゆるやタカさん(Fat man Crew)が単縄をやって、僕がハリーを跳ぶ、みたいなね。本番引っかかったけど(笑)。

ははは(笑)。世界を広げようという目的だったんですね。

そうそう。タローさん(Fat man Crew)に爆笑されてた。それと、ハリーに入る前に、ポンポンって叩くやつがすごいやりたくて。

あー!カウントの7、8ですね。

そうそう。まず僕たち英語を使わないから、そこがダッチャーとの違い。7、8は「ナナ、ハチ」って言うし。だから「セブンエイッ」も言いたくて(笑)。すごい新しかったですよ。色々やったことのない技もいっぱいあったので、とにかくすべてが新鮮でした。

“ハリーの前に「セブンエイッ」が言いたくて(笑)。とにかくすべてが新鮮でした。

初めて知りました。黒野さんは好奇心旺盛なんですね。

きっとそうかも(笑)でも真面目な話、きっと僕がダッチャーからいろいろ学べるように、単縄や競技ダッチからもダッチャーはいろいろ学べるんじゃないかと思ってます。なので、お互いに高め合っていきたいですね!

(第4回へつづく)